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施餓鬼壇

提供: 新纂浄土宗大辞典

せがきだん/施餓鬼壇

餓鬼に飲食を施すための供養壇で、正式には餓鬼壇という。外縁げえんなどの堂外に設けて、餓鬼衆生位牌を置き、飯・浄水を供え、飯上に五輪幡小幡を立てる。餓鬼が恐れないように灯明を用いず、高さは三尺(約九〇センチメートル)以下にするなどの古伝がある。一方、「施餓鬼壇」と呼ぶ場合には、五如来を奉安する祭壇と同義に捉えられることも多く、その場合は壇上に五如来三界万霊および精霊位牌を安置し、飯・五輪幡小幡浄水供物・香華灯燭等を供える(写真)。本来、祭壇と餓鬼壇供養の趣意が全く異なり、この形式は正しいものではないが『諸回向宝鑑』(一・三三オ)の「施餓鬼棚図」等に見られることから、一般には古くから行われていたものと考えられる。


【資料】必夢『諸回向宝鑑』、諦忍『盆供施餓鬼問弁』


【参照項目】➡施餓鬼会餓鬼壇


【執筆者:熊井康雄】