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六念

提供: 新纂浄土宗大辞典

ろくねん/六念

仏教者が尊崇すべき六種の対象を記憶し思いを寄せること。六随念六念処ともいう。仏・法・僧の三宝を念ずることを三念、これに戒・捨(あるいは施)・天を加えたものをいう。律宗では比丘が熟知しなければならない布薩日や夏安居げあんごの期日、具足戒を受けた年月日など六項を六念の内容とする。善導六時礼讃』においては晨朝礼讃六念法を念誦する。また『観経疏散善義(聖典二・三〇一/浄全二・六一)には六念について、①念仏とは阿弥陀仏および諸仏の身口意三業功徳を念ずること、②念法とは諸仏所証の法を念ずること、③念僧とは仏の眷属である菩薩僧を念ずること、④念戒とは諸仏の戒を念ずること、⑤念捨とは諸仏・諸菩薩の捨て難きを能く捨てる行業を念ずること、⑥念天とは最後身十地の菩薩を念ずることである、と説かれている。


【執筆者:大南龍昇】