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布薩

提供: 新纂浄土宗大辞典

ふさつ/布薩

同一地区の教団に所属する比丘びく比丘尼びくにが、特定の日に一ヶ所に集まり律の条文(波羅提木叉はらだいもくしゃ)を確認する儀式。また在家者が特定の日に八斎戒を守ること。ⓈupavasathaⓈpoṣadhaⓅuposathaⓉgso sbyong。布灑他ふしゃた・布沙他などとも音写し、斎戒・長養などと訳される。在家の布薩は、月のうち八日・一四日・一五日・二三日・二九日・三〇日の六斎日などに八斎戒を一日守ることである。出家布薩は半月に一度行われ、長老あるいはそれに準ずるものが波羅提木叉を唱え、参加した出家者が全員でそれを確認し、自身の清浄を証する儀式である。罪を犯した比丘はこの布薩の場において懺悔し反省して、自身を清浄にする。また布薩は分裂した教団を一つにまとめるためにも執り行われ、このような布薩は特定の日以外の執行が認められている。さらに布薩を共に行うことで教団は和合していると見なされ、異なる部派であっても、それらがともに仏教教団として存在することが可能になったと考えられている。


【資料】『摩訶僧祇律』、『四分律』


【参考】佐々木閑『インド仏教変遷移論 なぜ仏教は多様化したのか』(大蔵出版、二〇〇〇)


【参照項目】➡波羅提木叉布薩戒八斎戒


【執筆者:石田一裕】