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九品寺流

提供: 新纂浄土宗大辞典

くほんじりゅう/九品寺流

諸行本願義を主張した法然門下の長西を派祖に仰ぐ法系のこと。長西は、讃岐国西三谷(香川県丸亀市)に生まれ、上洛後法然に師事するも、法然遷化の後、泉涌寺せんにゅうじ俊芿しゅんじょう道元から止観や禅の指南を受け、特に京都出雲路の天台の学僧であった住心房覚愉かくゆに学び、諸行本願義を主張するに至る。流派の名は、長西が洛北に開いた九品寺に由来を持っている。同派は京都(九品寺)・讃岐・鎌倉(浄光明寺新善光寺)の三地域を拠点として、真言律宗と結びつき教線を拡大した。


【参考】石橋誡道『九品寺流長西教義の研究』(佛教専門学校出版部、一九三七)


【参照項目】➡法然門下の異流諸行本願義長西


【執筆者:東海林良昌】