香炉
提供: 新纂浄土宗大辞典
こうろ/香炉
仏・菩薩の供養のため香を焚くのに用いる器。火炉、薫炉、薫籠ともいう。大小さまざまあり、材質も金、銀、銅、白銅、青銅などの金属製、白磁、青磁などの陶製、玉、瑪瑙、瑠璃の石製、紫檀などの木製など多様。形には博山型、火舎型、蓮華型、鼎型、三足型、蛸足型などがある。用途により仏前や仏壇などの机上に置いて使う置香炉(居香炉)、小型の香炉に持ち運ぶための柄の付いた柄香炉、本堂や道場などの入り口に置き跨いで身体を清める象香炉(香象)、長時間香を焚いたり、時間を計るために抹香を筋状にして盛って焚く常香盤、増上寺の御忌会庭儀式で侍者が提げ持つ提げ香炉、香炉と香合を一つにした廻し香炉などがある。また仏事以外に用いるものとして、紐でつり下げておく掛香炉、着物の袖に入れる袖香炉、着物に香の臭いを移すためのたきしめ香炉、箱枕の中にいれる枕香炉、飾りのための飾り香炉、水鳥が首を伸ばして嘴を開いた姿で手洗に用いる不浄香炉(厠香炉)などがある。
【執筆者:斉藤隆尚】