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香湯

提供: 新纂浄土宗大辞典

こうとう/香湯

丁子ちょうじなどの香木を浄水で煮出した清浄な湯。灌仏会では竜が天から降りてきて香湯を灌いだという説により、誕生仏の頭頂に香湯(甘茶)を灌ぐ。インドでは沐浴して身を浄める習慣があり、それを誕生仏の像にも奉献したもの。『摩訶刹頭まかせっとう経』には、都梁香とりょうこうなどの五色の水を灌ぐとあり(正蔵一六・七九八中)、『浴仏功徳経』には「もし像を浴する時は、…上に浴床を置き、中に仏像を安んじ、灌ぐに香湯を以てし、浄潔洗沐す」(正蔵一六・八〇〇中)とある。伝宗伝戒道場などのときには、香湯の湯に入浴して身体を洗い浄めてから伝法を受ける。その湯と洗浴することをいう。正伝法前伝、正授戒などの伝法道場に入堂するとき、受者は香湯を両手に受けて浄めるが、この清浄な湯と作法のことも意味する。


【参照項目】➡香湯偈


【執筆者:西城宗隆】