賛念仏
提供: 新纂浄土宗大辞典
さんねんぶつ/賛念仏
知恩院に伝承されている節念仏。知恩院御忌日中法要で、「南無阿弥陀仏」を三回唱える。句頭一唱、同音二唱して一唱ごとに磬で句切る。この念仏に続いて念仏一会を修す。古来、曲調を定めていないという。現行西山派などで行われる誦経後の節無しの「三念仏」に対して、「賛念仏」の字を当てるが、古伝の法事讃念仏・般舟讃念仏に対する語でもある。「色ヲチ」の唱法に宮・下羽・徴の三段下りを加味した優雅な曲であるが、鹿ヶ谷法然院の伝承には「色由り」がない。
【参考】清水秀浩『浄土宗声明攷』(法楽寺、一九九八)、『御忌大会法則』(総本山知恩院式衆会蔵版、一九九九)
【参照項目】➡三念仏
【執筆者:清水秀浩】