法上
提供: 新纂浄土宗大辞典
ほうじょう/法上
南斉・建武二年(四九五)—北周・大象二年(五八〇)。朝歌(河南省)の人。一二歳で道楽禅師について出家し、聖沙弥といわれた。初めは『法華経』の研鑽につとめたが、後に地論宗南道派の祖である慧光の門下となり、『十地経論』や『大智度論』などを講じた。東魏と北斉の二代にわたって統師をつとめた。弟子に浄影寺慧遠や霊裕がいる。道綽『安楽集』では「斉朝上統」の呼称で、六大徳相承として浄土教祖師の一人に挙げられるが、『続高僧伝』では弥勒信仰者としての事蹟が伝えられている。『増一数法』四〇巻、『仏性論』二巻、『衆経録』一巻、『大乗義章』六巻の著作があったとされるが、『十地経論義疏』の一部のみ現存する(正蔵八五所収)。
【参考】勝又俊教『仏教における心識説の研究』(山喜房仏書林、一九六一)
【参照項目】➡六大徳相承
【執筆者:工藤量導】