明るく・正しく・仲よく
提供: 新纂浄土宗大辞典
あかるく・ただしく・なかよく/明るく・正しく・仲よく
三宝帰依の精神・生き方をわかりやすく表現した言葉。「明るく・正しく・和よく」とも書く。また「和やかに」とする場合もある。「和語仏教」を提唱した椎尾弁匡がしばしば用いたことで広く知られている。椎尾は『授戒講話』で「明るく正しく和よくゆくことが仏法僧の三宝を念ずること」(『椎尾弁匡選集』六・一六五頁)と説き、また『大授戒講説』では「仏とは一番明るく心の覚めた人であり、法とは正しく生きることであり、僧とは互いに仲よく和合すること」(共生会刊、三三頁)と説いている。浄土宗はじめ他宗でも、三帰戒の説明にはこの成句を用いるなど、仏教語を現代語訳した好例。子供信行道場の帰敬式、結婚式などの帰依三宝では、この語を用いて作法を行うこともある。
【参考】藤井実応『椎尾弁匡先生の片影』(私家版、一九九〇)、共生会編『共生法句集』(共生会出版部、一九七六)、恵谷隆戒『結縁授戒講話』(浄土宗、一九八一)
【参照項目】➡椎尾弁匡
【執筆者:西城宗隆】