けんちゃくじゅかいかい/揀択受戒戒
『梵網経』に説かれる四十八軽戒のうち第四〇戒のこと。菩薩戒を受けさせる場合に、身分や出家在家男女の区別なく、あるいは天人であろうが鬼神であろうが何人も選別しないようにするもので、法師の語を解して法を求めている者に対して悪心を抱いて戒を授けないならば軽垢罪に当たるとしてこれを制する。なおこの戒では受戒者の袈裟等の衣服は壊色に染めたものと定め、またこれまで七逆を犯していないかが問いただされ、犯している場合には戒を受けさせることはできないとする。
【参考】石田瑞麿『仏典講座一四 梵網経』(大蔵出版、一九七一)
【参照項目】➡四十八軽戒、軽垢罪
【執筆者:袖山榮輝】