庭儀式
提供: 新纂浄土宗大辞典
ていぎしき/庭儀式
屋外で行う儀式。寺院の大法会のときに集会所(内宿)から本堂に至る途中、衆僧が庭前(本堂前)に行列して、庭上で行う儀式をいう。古来、本堂前に砂あるいは筵を敷き、筵道の左右両側に庭幡を建て、幄屋(庭上で儀式を執り行うための仮屋)を設け、中央に導師座、左右に式師席を設け、導師座に諷誦文、あるいは洒水器を備え、式衆席には鐃鈸等を整える。導師、式衆が到着したのち庭讃(四智梵讃)を唱えている間に、導師は洒水作法を行う。古来、この儀式は天台宗や真言宗で多く行われていたが、浄土宗においては晋山式や落慶式など集会所から練供養を行うとき、本堂に入堂する際に庭上で行われている。これに対して、一堂から廻廊を渡って本堂に至ることを堂上という。知恩院では、遠忌などの大会において庭儀式を行う。ただし雨天時は堂内を巡る椽儀式を行う。増上寺御忌会などの大法会では、庭儀台で庭讃・洒水を行っている。
【参照項目】➡庭讃
【執筆者:瀬戸隆海】