たいらのしげひらのといにねんぶつおうじょうをしめすおことば/平重衡の問に念仏往生を示す御詞
法然が平重衡の問いに答えて、念仏往生について明かしたことば。和文で記されている。平重衡は南都焼き打ちの首謀者。重衡と法然の出会いは『四十八巻伝』三〇によれば元暦元年(一一八四)であるので、この「御詞」もそれ以降のものであろう。この「御詞」では、阿弥陀仏の本願が罪業深き者や愚痴の者にも働きかけ、念仏を称えれば罪業を滅し極楽浄土に往生できる旨が説かれ、往生を微塵も疑うことなく称名念仏を修すべきことが述べられている。
【所収】昭法全七三九~四〇、法伝全三五一上~下
【参照項目】➡平重衡
【執筆者:石田一裕】