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奥図の伝

提供: 新纂浄土宗大辞典

おくずのでん/奥図の伝

授手印』の巻尾に記される安心・起行・作業南無阿弥陀仏口称念仏一行に結帰することを示した図(奥図)における伝法伝目の一つ。奥図には三心・五念・四修、さらに三種行儀もすべて南無阿弥陀仏に結帰するとあり、続けて「釈して曰く、我が法然上人の言わく、善導の御釈を拝見するに、源空が目には、三心も五念も四修も皆ともに南無阿弥陀仏と見ゆるなり」(聖典五・二四〇)と述べているように、法然の言葉に基づいたものである。また法然自身も『一枚起請文』に「三心四修など申す事の候は、皆決定して南無阿弥陀仏にて往生するぞと、思ううちに籠り候なり」(聖典六・六八八/昭法全四一六)と述べている。聖光はこの結帰一行ということを記したうえで『授手印』に両手印を押している。


【資料】『浄業信法訣』(『伝灯輯要』)


【参照項目】➡結帰一行三昧


【執筆者:沼倉雄人】