日本古代と中世の仏教諸宗である八宗に、浄土または禅を加えた九宗。凝然の『八宗綱要』には、俱舎宗・成実宗・律宗・法相宗・三論宗・天台宗・華厳宗・真言宗の八宗の解説に加えて、最後に禅宗と浄土宗を簡潔に紹介している。浄土宗は、「具縛の凡夫、浄土を欣楽し、所修の業を以て浄土に往生す、西方の浄土は、縁此の土に深し、念仏の修行、劣機、特に浄土に生まれ易しとなす、後乃至成仏す」(仏全三・三九上)と述べられる。
【参照項目】➡八宗、八宗綱要
【執筆者:西村玲】