五念門を修めることで蒙る得生見仏の利益をはたらかせる力。世親の『往生論』に「若し善男子善女人、五念門を修して行成就すれば、畢竟安楽国土に生じて彼の阿弥陀仏を見たてまつることを得」(聖典一・三六一/浄全一・一九三)とあり、曇鸞がこれを『往生論註』で解釈して、得生見仏の利益を五念の力用として捉え、五念力と称した。この五念の力用を信じることを生信という。つまり、五念門行を修めるという因行により、五念力がはたらいて得生見仏という果徳が成就する。
【執筆者:後藤史孝】