酉仰ゆうこう撰。筆者は聖聡の弟子で増上寺二世。五重相伝にかかわる秘伝を記述したもの。切紙とは紙を切って秘伝を書き示したもので、師から特定の弟子へ授けられた。この朱切紙十二通は朱文字で書かれ、一二枚あるところから朱切紙十二通と呼ばれている。江戸時代の伝書の中にも朱書きで筆録されたものを見ることができる。この『朱切紙』の第二浄土真宗七字口伝に「永享十一年(一四三九)八月二十一日」とあることから酉仰が二二歳で聖聡から増上寺の法灯を継承した直後の書である。
【所収】『伝灯輯要』上
【参照項目】➡切紙
【執筆者:大澤亮我】