十二礼
提供: 新纂浄土宗大辞典
2018年3月30日 (金) 06:26時点における192.168.11.48 (トーク)による版
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じゅうにらい/十二礼
一巻。『十二礼偈』ともいう。龍樹造、禅那崛多訳。阿弥陀仏の荘厳功徳を讃歎した七言一二行四八句の偈頌。第一頌では総じて仏徳を讃じ、第二~七頌では阿弥陀仏の功徳、第八~九頌では聖衆の功徳、第一〇~一一頌では国土荘厳の功徳をそれぞれ讃歎し、第一二頌の回向文をもって結歎とする。本書を諸経録上で確認することはできないが、迦才『浄土論』中には「龍樹の阿弥陀仏を讃礼する文に十二礼有り」(浄全六・六五五上/正蔵四七・九六中~下)とあり、また、善導『往生礼讃』中夜偈や智昇『集諸経礼懺儀』下にも全文が引用されている。とくに真宗では正依経論の一つに数えられ、梵唄として浄土三昧法にも用いられている。
【所収】続蔵二、真宗聖典、『真宗聖教大全』中、善導『往生礼讃』、智昇『集諸経礼懺儀』下(正蔵四七)
【参考】福原亮厳「親鸞教学とその著作中の引用書」(『龍谷大学論集』三六五、一九六〇)、山本仏骨「選択思想の中心問題」(『龍谷教学』一六、一九八一)
【執筆者:杉山裕俊】