集諸経礼懺儀
提供: 新纂浄土宗大辞典
じゅうしょきょうらいさんぎ/集諸経礼懺儀
二巻。『諸礼仏懺悔文儀』『集諸経礼懺悔文』とも称する。唐・智昇(—七三〇—)編。成立年次は未詳。『開元釈教録』に載録されることより、その下限は開元一八年(七三〇)。礼仏の綱軌次第を集成したもので、上巻末には「恐るらくは学ばんと欲する者の依拠する所無きを。是を以ての故に此の文を集め世に流通せん」(正蔵四七・四六五下)と編纂の事由が述懐されている。上巻は諸経典にみられる礼懺儀を集録し、下巻には善導『往生礼讃』が全文収録される。『往生礼讃』の本文を伝えるものとして、その流伝・変遷を考察する上で注目すべき文献といえる。
【所収】正蔵四七
【参考】高瀬承厳「集諸経礼懺儀解題」(国訳、諸宗部七、大東出版社、一九三六)、上杉智英「七寺蔵『集諸経礼懺儀』巻下の系譜」(浄土学四四、二〇〇七)
【参照項目】➡往生礼讃
【執筆者:上杉智英】