四威儀
提供: 新纂浄土宗大辞典
しいぎ/四威儀
僧尼の守るべき四種の立ち居ふるまい(動作)。日常の行動は大きく行・住・坐・臥の四種に分けることができる。行とは歩くこと。住は止まること。坐は座ること。臥は横たわることをいう。仏道修行においては、それぞれ規律や作法に則ってこの四威儀が行われる。『菩薩善戒経』八に「もしは行、もしは住、もしは坐、もしは臥、一切の行において道心を失わず」(正蔵三〇・一〇〇五下)とある。『観経疏』散善義には「一心に専ら弥陀の名号を念じて行住坐臥に、時節の久近を問わず。念々に捨てざる者、これを正定の業と名づく。かの仏の願に順ずるが故に」(聖典二・二九四/浄全二・五八下)とあり、いかなる立ち居ふるまいにも念仏を忘れないことを明す。『日本往生極楽記』に「四威儀の中、ただ弥陀の相好、浄土の荘厳を観じけり」(続浄一七・七下)とある。
【執筆者:佐藤健】