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神宮寺

提供: 新纂浄土宗大辞典

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じんぐうじ/神宮寺

神社に付属して設置された寺院のこと。神宮院、宮寺、神願寺、神護寺ともいう。霊亀元年(七一五)、気比けひ神宮(福井県敦賀市)に神宮寺が建立され、八世紀後半には諸国遊行の民間僧満願(万巻)により、鹿島神宮(茨城県鹿嶋市)や多度たど神宮(三重県桑名市)等各地に神宮寺が建立される。これらの寺院はいずれも神仏習合思想に立脚し、神身離脱・仏教帰依を願う神の託宣に応じて建立されたとする。平安中期以降、本地垂迹説の流行に伴い神宮寺の設置は盛んになるものの、明治時代の廃仏毀釈により、神社から分離、または廃止されるに至った。


【参考】辻善之助『日本仏教史』一(岩波書店、一九四四)、田村円澄「神仏関係の一考察」(『史林』三七—二〇、一九五四)、吉田一彦「多度神宮寺と神仏習合」(梅村喬編『古代王権と交流四 伊勢湾と古代の東海』名著出版、一九九六)


【執筆者:冨樫進】