しょしんじろくたん/初心示六端
一巻。良山妙観撰。冒頭に「授手印開題考文抄中にこれを書き出す」(続浄一〇・一八四上)とあるように、浄土宗の教えを明確にするために、聖道門の六宗の宗義を説示したもの。初めに仏の八万の教門は各別であるが、みなその機根にかなえば、それぞれの楽欲にしたがい得脱は自在であると述べ、後に六宗、つまり密宗の即身成仏、仏心宗の直指人心見性成仏、天台宗の即身成仏、華厳宗の初発心時便成正覚、三論宗の三祇成仏、法相宗の三祇成仏の主旨を簡単に説明している。
【所収】続浄一〇
【参考】玉山成元「名越派とその叢書 解説」(『浄土宗典籍研究』山喜房仏書林、一九七五)
【執筆者:田中芳道】