浄土宗第三祖然阿良忠上人伝の新研究
提供: 新纂浄土宗大辞典
じょうどしゅうだいさんそねんなりょうちゅうしょうにんでんのしんけんきゅう/浄土宗第三祖然阿良忠上人伝の新研究
恵谷隆戒著。昭和九年(一九三四)一〇月、金尾文淵堂刊。同五九年、浄土宗学研究叢書〈祖師篇〉として国書刊行会より再刊。道光『然阿上人伝』には記されていなかった良忠の関東(特に下総地方)での事跡について、金沢文庫(横浜市)所蔵の資料を用いて明らかにしている。昭和八年(一九三三)、塚本善隆を中心に金沢文庫の浄土宗典籍調査が行われ、その成果は世間の注目を浴びたが、恵谷はその調査された典籍のうち、良聖書写の古鈔本を用いてそれまで明瞭でなかった良忠の下総地方での事跡を明らかにしている。巻末には付録として金沢文庫所蔵の古鈔本である『三部経大意』『元祖門下異義弁(仮題)』『陸捌弘願釈』の翻刻が所収されている。
【執筆者:沼倉雄人】