一形
提供: 新纂浄土宗大辞典
いちぎょう/一形
人間の姿・形が存続する期間、すなわち一生涯のこと。一代、一期、一生と同意。『観経疏』玄義分に「上、一形を尽し、下、十念に至るまで、仏願力を以て皆往かずと云うこと莫し」(聖典二・一八二/浄全二・一〇下)というように、下至十念、下至十声一声等と対で用いられ、阿弥陀仏の本願力の救済範囲が一生涯の念仏から臨終の十声一声にまで及ぶことが示される。法然は「信をば一念に生まると取り、行をば一形に励むべし」(『禅勝房に示す御詞』聖典四・四三三/昭法全四六四)と、一念(一声の念仏)で往生すると信じつつ一生涯をかけて念仏を相続すべきことを説いている。
【参照項目】➡上尽一形下至十声一声、一期
【執筆者:曽田俊弘】