聖徳寺
提供: 新纂浄土宗大辞典
しょうとくじ／聖徳寺
一
神奈川県横須賀市田戸台。公卿山田津院。神奈川教区№一四三。文和二年（一三五三）に開創されている。開山・開基については諸説あり、寺伝では浄誉生阿を開山とするが、『相模国風土記』では静蓮社寂誉を開山、永島正徳を開基としている。創建当初は「正徳寺」とされていたが、ある代の住職が夢枕に聖徳太子を見たのを機縁として正徳元年（一七一一）に寺名を改めたとされる。戦乱や火災による堂宇の焼失で境内地を幾度か移転しており、明和六年（一七六九）に現在地に至る。火難・移転によって記録類が散逸しているため寺史の詳細は不明である。
【資料】『浄土宗寺院由緒書』中（『増上寺史料集』六）、『新篇相模国風土記稿』一一四（『大日本地誌大系』四〇）
【参考】『平成版浄土宗神奈川教区寺院誌』（神奈川教区教務所、二〇〇九）
【執筆者：沼倉雄人】
二
三重県松阪市中万町。大仲山。伊勢教区№一七二。用明天皇二年（五八七）の草創、聖徳太子の開基、浄誉食道の開山と伝える。もとは法相宗で後に天台宗となり、永和元年（一三七五）良道により浄土宗となる。浄誉食道が天保元年（一八三〇）に再建、現在に至る。
【資料】『蓮門精舎旧詞』一四（続浄一八）
【参考】全日本仏教会寺院名鑑刊行会編『全国寺院名鑑』（史学センター、一九八三）
【執筆者：横井大覚】
三
長崎市銭座町。天王山法輪院。長崎教区№二。寛永三年（一六二六）開創。開山は、専誉玄蹟。塔頭寺院に摂取院・無量院・称名庵がある。昭和二〇年（一九四五）の原爆投下により全壊、創建時以来の貴重な史料も焼失した。本尊は、文化勲章受章者、北村西望による阿弥陀如来。二一世金子貫達は、同六一年、大本山善導寺法主に晋董。聖徳保育園、ルンビニー幼稚園、滑石中央幼稚園、ピッパラ保育園がある。オランダ通詞楢林家の墓、長崎大学医学部納骨堂が境内に存する。
【資料】『蓮門精舎旧詞』三九
【執筆者：金子孝司】