清浄な行為のこと。一般には浄土に往生するための行業としての念仏を指す。例えば聖光『徹選択集』上に「『選択集』の意は、ただ念仏の一行を以てその往生の浄業と為して」(聖典三・二七四/浄全七・九〇下)とある。「浄土三部経」の中では浄業の語は『観経』にのみ見られるが、その内容は、念仏ではなく、世間的な善行(世福)、戒律を受持すること(戒福)、読誦大乗などの仏道修行(行福)の三福を指す。その目的も、必ずしも往生のみではなく、「三世諸仏の浄業の正因」(聖典一・二九一/浄全一・三九)とされるように三世の諸仏の成道の因とされる。
【参照項目】➡三福、浄業正因
【執筆者:齊藤舜健】