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三千威儀

提供: 新纂浄土宗大辞典

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さんぜんいぎ/三千威儀

二巻。具には『大比丘三千威儀』。『三千威儀経』『大比丘三千威儀経』『大比丘威儀経』『大僧威儀経』などとも称する。後漢の安世高訳とされるが実際には訳者不詳で秦代(前秦・後秦)の訳出と推知される。比丘の行持すべき所作について規制と心得を説いたもの。上巻の初めに仏弟子を大別して在家・出家の二種とし、在家は五戒を本として人天の福を求め、いまだ家・眷族・縁累を捨てることができないことを説き、出家については上中下の三類に分け、まず十戒を本とするといい、下中上の順に出家の特質を述べた後、比丘威儀、生活用心について説いている。下巻の終わりに薩婆多部さはたぶ等の律の五部派において用いる袈裟法衣)の色に区別があることを述べている。上巻には袈裟被着法・経行・上高座・坐法など、下巻には十二頭陀ずだ錫杖じしゃくじょう犍稚かんちなどについて説かれており、上下通じて一千余の項目にわたって指示されている。


【所収】正蔵二四


【資料】『出三蔵記集』四、法経『衆経目録』五、『開元釈教録』一、『開元釈教録』一三「別録」


【参考】平川彰『平川彰著作集』九「律蔵の研究」一(春秋社、一九九九)


【執筆者:原口弘之】