各宗派の末徒が、従前の旧師に対して、今の祖師を指して言う語。自己の所属する宗派を指して言う場合もある。「こんけ」とも読む。浄土宗においては善導を指す語として多く用いられる。良忠『伝通記』玄義分記三に「故に今家の云わく、正しく仏願に託して、以て強縁ごうえんとするに由りて、五乗をして斉しく入らしめんことを致す」(浄全二・一三三上)として善導『観経疏』の文を引用し、また「三輩散善は今家の定判なり」(浄全二・一二九下)などとある。この場合の用例としては、「今師」「一家」とも呼称する。
【執筆者:沼倉雄人】