見道場樹願
提供: 新纂浄土宗大辞典
けんどうじょうじゅがん/見道場樹願
『無量寿経』に説く、阿弥陀仏の四十八願中第二十八願の願名。道光『無量寿経鈔』による。義寂は「道場高勝願」(『無量寿経述義記』中、恵谷隆戒『浄土教の新研究』四二二)、智光は「見菩提樹無量光色願」(『無量寿経論釈』三、恵谷隆戒『同』四七六)、良源は「菩薩皆共見道場樹願」(『九品往生義』浄全一五・一九下)と呼ぶ。成仏したなら、その国土の菩薩たちで功徳の少ない者であっても、さとりの座にそびえる道場樹に無量の色彩と輝きがあり高さ四百万里に及ぶことを見て取ることができるようにしたい、という願。梵本、チベット訳、『無量寿如来会』のそれぞれ第二十八願が対応する。『大阿弥陀経』『平等覚経』『無量寿荘厳経』には対応する願がない。
【資料】道光『無量寿経鈔』四、義山『無量寿経随聞講録』上之三(共に浄全一四)
【参考】香川孝雄『無量寿経の諸本対照研究』(永田文昌堂、一九八四)
【参照項目】➡四十八願
【執筆者:齊藤舜健】