仏の供養具の一つ。仏前などに花を挿さして供養するための瓶。花生け、花入れ、花瓶、花器ともいう。宝瓶を象かたどったもので香水こうずいを盛るものであったが、後に供華の具となった。インドでは生花の花のみを採って糸で結んだり、盤に盛って供えたり、散華して供養したが、後に枝のついた花を供えるようになった。香炉・灯燭とともに、三具足、五具足として用い、インドの宝冠をかたどった亜字型、下膨らみの徳利型、最もよく用いられる質素な関通型とがある。
【参考】『仏教考古学講座』三・仏法具編上(雄山閣、一九七〇)
【参照項目】➡三具足、五具足、関通型
【執筆者:田中康真】