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供養偈

提供: 新纂浄土宗大辞典

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くようげ/供養偈

布施を受けるときに唱える偈文、「三輪清浄偈」ともいう。「能施所施及施物のうせしょせぎゅうせもつ 三世無所得おさんぜちゅうむしょとく 我等安住最勝心がとうあんじゅうさいしょうしん 供養一切仏法僧くよういっさいぶっぽうそう」。『大乗本生心地観経』一(正蔵三・二九六中)に出るが、原典では第四句を「供養一切十方仏」とする。この文は『諸回向宝鑑』に「布施を受くる時の文」(二・一九オ)として原典のままを載せる。「供養偈」の形で載せるものに『平成改訂浄土礼誦法』があるが、偈題は「受嚫偈じゅしんげ」である。「供養偈」としては佛教専門学校編『浄土宗辞典』に載るが、『法要集』では、「受嚫偈」に「財宝二施」の文を載せるのみでこの偈文はない。『国訳一切経』(経集部六)の注に「三輪を説きしものにして、三輪清浄偈と称す」とあり、布施する者・布施を受ける者・布施物の三つが空で清浄であることを説いた偈である。施す者と施しを受ける者そして施物がいつの世においてもとらわれなく、最上の心で一切の三宝供養せんとの意。布施を押し頂いて自分で唱える。


【参照項目】➡受嚫偈


【執筆者:巖谷勝正】