三巻。『観念法門聞書事』『観念法門私記』『観念法門抄物』ともいう。行観記。善導『観念法門』の注釈書。弘安元年(一二七八)三月二三日に師観智が武蔵国石浜において談義した際の聞書をもとに、元亨元年(一三二一)正月三日より数年をかけて記した鈔物(巻中は同三年二月二六日開始)。書名を「観」と「念」に分けて二度訓読することに始まり、「文に依らず義に依る」という西山流西谷義の相伝によって善導『観念法門』を解釈している。
【執筆者:稲田廣演】