観察は助業、称名は正定業であるという意。浄土宗においては善導『観経疏』の説示にもとづいて五種正行を正定業・助業に分け、称名を正定業、他の四行を助業としている。しかし世親『往生論』には観察門を往生行の中心とし、称名は讃歎門に摂属されており、両師の説示において称名行と観察行の位置づけに異なりがみられる。良忠『疑問抄』にこの相違に関する問答が設けられ、観察は助業、称名は正定業である義が論述され、両説の会通がなされている。
【資料】『疑問抄』上(聖典五)
【参照項目】➡正定業・助業
【執筆者:沼倉雄人】