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戒壇院

提供: 新纂浄土宗大辞典

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かいだんいん/戒壇院

授戒を行うための建物。天平勝宝六年(七五四)正月に鑑真が渡来して東大寺で仮の戒壇を設け、四月に授戒をした。同年五月、日本最初の戒壇院が創設された。その後、天平宝字五年(七六一、一説に天平宝字六年)下野しもつけの薬師寺と筑紫の観世音寺に戒壇院が築かれ、東大寺戒壇院とともに天下三戒壇と称した。また最澄大乗戒独立の運動をおこし、比叡山に新たな戒壇院を設けようとした。『梵網経』による大乗菩薩の養成を目的として勅許を求め、没後(八二二)七日後に勅許が下り、天長四年(八二七)延暦寺大乗戒壇院(一乗戒壇院)が建立された。


【参考】石田瑞磨『日本仏教思想研究1 戒律の研究』上(法蔵館、一九八六)、道端良秀『中国仏教史全集』七(書苑、一九八五)


【参照項目】➡戒壇


【執筆者:田中芳道】