髪などをそるのに使う金属製の刃物。髪剃りの意。得度式、剃度式、枕経などで仏道に入るための剃髪の儀式(剃度作法)を行うときに用いる。長さ一五センチ程の厚刃の日本剃刀で剃頭刀ていずとうともいう。六世紀頃仏教伝来と共に中国から朝鮮を経て伝わったといわれる。大乗の比丘が持つ十八物の一つ。焼香し剃刀を香煙に薫じ、右手に小三鈷しょうさんこの印を結び「甘露葷荼利呪かんろぐんだりじゅ(甘露葷荼利明王陀羅尼)」を三唱しながら三度加持し、剃度をする。
【参照項目】➡剃度作法、剃度式
【執筆者:斉藤隆尚】