蓮宗
提供: 新纂浄土宗大辞典
れんしゅう/蓮宗
中国において広く浄土教を信仰する者の集団をいう。蓮門とも呼ぶ。その語源は廬山慧遠の白蓮社に端を発し、袾宏『阿弥陀経疏鈔』二に「同修の友、号して蓮社と曰い…趨向の極を定むるを、号して蓮宗と曰う」(続蔵二二・六四二上)とあるように、本来蓮宗は浄土教の宗旨を指していたが、後に浄土教を信仰する集団を指す言葉に転化した。『霊巌寺念誦儀規』には蓮宗祖師として慧遠・善導・承遠・法照・少康・延寿・省常・袾宏・智旭・行策・省庵・徹悟・印光の一三祖が挙げられる。袾宏の影響から忍澂は自らを「蓮宗後学」(浄全一六・四四下)と称すこともあり、日本においては浄土宗を指す。なお普度『廬山蓮宗宝鑑』でいう蓮宗とは、宋代に子元により創始された念仏結社である白蓮宗を指し、広義の蓮宗とは異なる。
【参照項目】➡白蓮宗
【執筆者:石上壽應】