吉水瀉瓶訣
提供: 新纂浄土宗大辞典
2018年3月30日 (金) 06:35時点における192.168.11.48 (トーク)による版
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よしみずしゃびょうけつ/吉水瀉瓶訣
五巻。隆円撰。文政六年(一八二三)作。増上寺で修学した洛東専念寺の隆円が、出家者に対する伝法口訣の稿本を組織立ててまとめたもの。自序の題辞において、護法の微志で成したもので、これが護法か越法かは後の判に俟つとしている(『伝灯輯要』八二六)。また在家者には化他信法のみ、出家者には学人伝法を許可するとしていて、これに従い隆円は本書に対比して在家者向けに『浄業信法訣』を撰している。五巻に亘る内容は、一巻は第一が因縁分、第一の余が道場分、二巻は第二密室分、三巻は第三が宗脈分、第三の余が引導分、四巻は第四円戒分、璽書分・浄土頓教布薩一乗戒儀軌・浄土布薩一乗戒、五巻は拾遺。以上で構成されていたが、『伝灯輯要』収録時には第四巻の浄土頓教布薩一乗戒儀軌・浄土布薩一乗戒が削除され、そこに第五巻拾遺の伝法或問・或問増補部分が組み入れられている。
【所収】『伝灯輯要』
【参考】大澤亮我「吉水瀉瓶訣について」(『仏教論叢』五八、二〇一四)
【参照項目】➡浄業信法訣
【執筆者:野村恒道】