仏・菩薩が何ものにもとらわれず自由自在に衆生を導く能力。また心にまかせて超能力的に衆生を浄土に往生させることを遊び戯れるかのように自ら楽しむことをいう。『往生論』の五種功徳門第五園林遊戯地門では、「大慈悲を以て一切の苦悩の衆生を観察して、応化身を示して生死の園・煩悩の林中に廻入し、遊戯神通をもて教化地に至る」(聖典一・三七一/浄全一・一九八)とあり、利他の誓願を忘れずに浄土に往生した後も娑婆世界に還り衆生を教化することを、園林に遊び戯れることに譬えている。
【執筆者:石上壽應】