門葉記
提供: 新纂浄土宗大辞典
もんようき/門葉記
南北朝期の尊円入道親王が青蓮院門跡の記録を集成したもの。はじめ一三〇巻でのち増補される。『正蔵』図像部一一・一二には、江戸時代に写された冊子本を底本とし一八四巻を収める。院政期の青蓮院初代行玄から南北朝期の尊道までを中心に、歴代門主による台密修法や如法経・入室出家受戒・灌頂・山務ほか門跡領や管領寺院についての記録を収録する。とくに熾盛光法・七仏薬師法などの台密修法の記録が柱をなし、大阿闍梨・伴僧名や執行の経緯を詳細に知ることができ、中世台密寺院の動向を知る上での重要史料。浄土宗の記事も散見でき、収録される菩薩戒に法然・信空・湛空が見え、慈円と関わる隆寛や証空の活動も窺われる。
【参照項目】➡青蓮院
【執筆者:善裕昭】