もんみょうふたい/聞名不退
仏や菩薩の名号を聞くことによって不退転を得ること。『無量寿経』の第四十七得不退転願に「もし我れ仏を得たらんに、他方国土の諸もろの菩薩衆、我が名字を聞きて、すなわち不退転に至ることを得ずんば、正覚を取らじ」(聖典一・二三二/浄全一・一〇)とある。すなわち、他方の国土の菩薩たちが、仏となるはずの法蔵菩薩(阿弥陀仏)の名前を聞いたならば、仏道から退転することのない不退転の境地に達することができるという。道光『無量寿経鈔』には得不退転願の解釈をめぐって、義寂・憬興・静照の説を紹介しながら詳論されている(浄全一四・一二五下~六上)。
【参照項目】➡聞名、聞名往生
【執筆者:工藤量導】