二冊。館林善導寺満成纂輯。明治一〇年(一八七七)東京芝宝松院蔵版。福田行誡の序によれば、善導寺の老隠士満成が寒郷僻地の人々のために法然上人伝記や語灯録のなかから祖師の法語を抜き書きした刷り物であるという。抜き書きの典拠は円智・義山『翼賛』、義山版『和語灯録』『拾遺和語灯録』である。乾の巻は「浄土宗略抄」に始まり「一念義停止の起請文」「上人やまとうた」で終わり、坤の巻は「小消息」に始まり「一枚起請文」で終わる。乾巻八一丁、坤巻九〇丁。法然法語抜書集としては大冊である。
【執筆者:眞柄和人】