宝松院
提供: 新纂浄土宗大辞典
ほうしょういん/宝松院
東京都港区芝公園。東京教区№一八。増上寺山内の御霊屋八別当の一つであった。開山は信誉良阿。寛永九年(一六三二)二代将軍徳川秀忠の入棺時、良阿と道山が香灯を司り、良阿の宝樹庵、道山の恵眼庵(後に恵眼院から大眼院)が創られ、ともに台徳院秀忠廟の別当をつとめた。宝樹庵は宝松院と改称し、両院が拝領した飯倉の台徳院お花畑には、後に宝松院の下寺善長寺、恵眼院の下寺順了寺が建てられた。また佐竹氏などの宿坊でもあった。明治二〇年(一八八七)にやや西の隣地から現在の地に移転した。昭和二〇年(一九四五)空襲により焼失。同五三年に境内総伽藍が再建された。
【資料】『三縁山志』三(浄全一九)、『御府内備考続編』六六(『御府内寺社備考』三)、『東京市史稿』遊園篇第六
【参照項目】➡御霊屋
【執筆者:野村恒道】