『無量寿経』の所説に基づいて、極楽浄土の有様を表した図絵。中央に極楽を描き周囲に『無量寿経』の説相がある。曼陀羅中央には、阿弥陀三尊を中心に、取りまく菩薩たち、虚空会、楼閣会、宝池会、舞楽会と、雲を隔てて下方に釈尊説法の相がある。向かって左の縁へりには、下より経説により、「特留此経」にはじまり「妙土荘厳」までの七相がある。向かって右の縁には貪瞋痴、無常の相がある。上欄には上・中・下輩の往生の相、下欄は二段となり、上には五悪段の相、下には三悪道、八大地獄の相などが描かれている。
【執筆者:塩竈義弘】