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密厳浄土

提供: 新纂浄土宗大辞典

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みつごんじょうど/密厳浄土

真言密教の教主である大日如来の仏国のこと。『大乗密厳経』には「密厳仏土は諸の仏国を超える」(正蔵一六・七二三下)と説かれている。浄土は、一般的には阿弥陀仏西方極楽浄土薬師如来の東方瑠璃光世界などのように、私たちが住んでいるこの閻浮提なんえんぶだいとは別の世界と考えられている。しかしながら密厳浄土とは、私たちが実際に生きているこの世界である、という。それは真言教学においては、我々凡夫も仏と何ら本質的に違いがないと考えるところに由来している。覚鑁かくばんの『密厳浄土略観』には、「密厳浄土とは大日心王の蓮都、遍照法帝の金刹、秘密荘厳の住処、曼荼浄妙の境界なり」(『興教大師全集』下一一八三)、「東には阿閦あしゅく浄刹じょうせつ、南には宝生の妙土、西には弥陀極楽、北には釈迦浄土があり、その中央に大日如来法界宮殿がある(趣意)」(『興教大師全集』下一一八五)と説かれている。


【参照項目】➡浄土仏国土


【執筆者:榊義孝】