五巻。喚誉編。宝暦五年(一七五五)刊行。檀林の一つ下谷幡随院開山幡随意の伝記。内容は、幡随意の生誕から入滅までの行実が四二章から構成されている。ただ、本書には幡随意が竜女を教化した話や幽霊を済度した話、あるいは名号の利益によって災厄を免れた話などが多く収録されており、伝記というよりは、むしろ唱導集としての性格が強い。
【所収】『仏教各宗続高僧実伝』
【参考】堤邦彦『江戸の高僧伝説』(三弥井書店、二〇〇八)
【参照項目】➡幡随意
【執筆者:𠮷水成正】