通常あるいは全く公開されることのない仏像・仏画。定期的あるいは住職の交替などの機会に期間を区切って開帳されるものも存在する。その思想的背景はまだ研究途上であるが、仏を常には姿を現すことのない神と同様の存在と捉える神祇信仰の影響も想定される。天台・真言系の寺院に多い。東大寺二月堂の十一面観音立像や長野・善光寺本尊などが絶対秘仏として知られているが、近年は文化財としての価値に注目が集まり、公開されるものも増加してきた。保存状態がよく美術史的に優れた作例も多い。
【参照項目】➡開帳
【執筆者:近藤謙】