念念称名常懺悔
提供: 新纂浄土宗大辞典
ねんねんしょうみょうじょうさんげ/念念称名常懺悔
阿弥陀仏の名号を称えることにより、懺悔と滅罪がなされることをいう。出典は善導の『般舟讃』で、「念念の称名は常の懺悔なり」(浄全四・五三八下/正蔵四七・四五二中)と示される。これについて良忠は『般舟讃私記』において「称名には即ち滅罪の力用あり、故に懺悔と云う」(浄全四・五五七上)と示し、また『疑問抄』下では「一心専念の念仏者には、必ずしも、堅く懺悔の心を立つべからず。ただ平らに称念すれば、自然に懺悔の徳を備える念仏なり」(聖典五・三五〇/浄全一〇・五〇上)と述べ、一心専念の念仏者が特別に懺悔の心を立てなくても、ただひたすらに称名すれば、念仏に具わる滅罪の力の働きにより、自然に懺悔滅罪がなされることを示している。
【執筆者:瀧沢行彦】