浄土宗の立場から仏教の全行法を包括して指すことば。道綽『安楽集』において提唱された聖道浄土二門判に基づく。法然は道綽よりさらに踏み込んで、顕教・権実のみならず密教や上座部など全仏教を聖道門に含めている。浄土宗が立脚する教判は、時代と機根を鑑みる立場から念仏行の優位性を主張するもので、教えとしての優劣ではないことに重きを置いていることが「勝」の字からもわかる。
【参照項目】➡聖道門・浄土門
【執筆者:渋谷康悦】