那羅延身願
提供: 新纂浄土宗大辞典
ならえんじんがん/那羅延身願
『無量寿経』に説く、阿弥陀仏の四十八願中第二十五願の願名。道光『無量寿経鈔』による。義寂は「令得堅固身願」(『無量寿経述義記』中、恵谷隆戒『浄土教の新研究』四二二)、智光と良源は「具得金剛那羅延身願」(『無量寿経論釈』三、恵谷隆戒『同』四七六/『九品往生義』浄全一五・一九)と呼ぶ。成仏したなら、その国土の菩薩たちが金剛力士のような(強靱な)身体を得られるようにしたい、という願。梵本、チベット訳、『無量寿如来会』のそれぞれ第二十六願、『無量寿荘厳経』の第二十二願が対応する。また『大阿弥陀経』『平等覚経』には対応する願がない。
【資料】道光『無量寿経鈔』四、義山『無量寿経随聞講録』上之三
【参考】香川孝雄『無量寿経の諸本対照研究』(永田文昌堂、一九八四)
【執筆者:齊藤舜健】