徳本行者伝
提供: 新纂浄土宗大辞典
とくほんぎょうじゃでん/徳本行者伝
三巻。福田行誡編纂。慶応三年(一八六七)徳本の五〇回忌に刊行。直弟子本仏が企画し、法系の本覚、本良や本乗が編集にあたった。徳本終焉の地である小石川一行院(東京都文京区千石)旧蔵で、門弟による徳本生涯の記録集『徳本行者集』六十余巻(昭和二〇年五月の東京大空襲で焼失)から資料を精選し、同じ奇瑞や「事奇怪に互りて常人の疑生ずべきもの」(同書例言)を排除し、『四十八巻伝』に体裁をならって、出生から出家、修行、各地教化、三昧発得、往生までの行状と、七回忌・一三回忌を記す。徳本の正史ともされてきた。挿画は主に蕉巌が担当。巻末に『徳本行者法語』と高弟一二人の略伝『徳本行者伝附録法弟小伝』を掲載している。昭和四四年(一九六九)に徳本行者奉賛会から活字本が再刊。
【所収】浄全一八、戸松啓真編『徳本行者全集』五(山喜房仏書林、一九七九)
【執筆者:山本正廣】