灯明を入れる籠。古くは灯楼とうろう、灯炉とうろと書いた。裸火では虫が焼け死ぬため、金銅の枠に紙や紗うすぎぬなどを張った火袋ひぶくろ(紗籠さろう)を設けた。その形は仏殿の前に安置される石灯籠、堂内に安置される台灯籠・曼陀羅塔(宝塔)、常に灯される常灯籠(常夜灯)などがあり、宝珠・笠・火袋・受台・竿・台からなる。ほかに、天井や軒先、回廊に懸けられる釣灯籠(吊灯籠)、盂蘭盆で使用する、菱形の木枠に紙を張り造花の飾りをつけた切子灯籠きりこどうろうなどがある。
【参考】福西賢兆『図説 浄土宗の法式』(斎々坊、一九九一)
【参照項目】➡切子灯籠
【執筆者:斉藤隆尚】